05.2023.05

歳を重ねる日本人の身体の悩みに寄り添う「漢方外用薬膏」のチカラ

「最近、どうも身体の節々が痛む」「昔の古傷がじくじくする」「冷えると腰が辛い」など、40 代を過ぎると、多くの方が身体の不調を感じ始めるのではないでしょうか。シップを貼ったり、マッサージに行ったりと、様々な対処法を試されているかもしれませんね。

実は、このような慢性的な身体の痛みや不調に対し、古くから日本で親しまれてきた漢方の知恵が詰まった「外用薬膏」が、私たちの生活に寄り添う心強い味方となることをご存知でしょうか?

この記事では、日々の生活で感じる身体の痛みに悩む皆様へ、漢方外用薬膏が持つべき 5 つの大切な特長と、その活用法について、専門的な視点から分かりやすくご紹介します。

漢方外用薬膏が持つべき 5 つの特長

漢方外用薬膏は、ただ塗れば良いというものではありません。その効果を最大限に引き出し、安全に使うためには、いくつかの重要なポイントがあります。

1. 肌なじみの良さ:しっとり潤う保湿力

外用薬膏は肌に直接触れるもの。大切なのは、肌にしっかり密着し、薬効成分がスムーズに浸透することです。そのためには、十分な保湿力が欠かせません。乾燥した肌では薬膏が浮いてしまい、効果が半減することも。肌の潤いを保ちながら、薬効成分が奥まで届くような薬膏を選ぶことが大切です。

2. 持続するチカラ:しっかり浸透する長時間貼付

「シップを貼ってもすぐ剥がれてしまう」「効果が長続きしない」と感じたことはありませんか?漢方外用薬膏は、薬効成分がじっくりと患部に働きかけるため、長時間貼付できることが重要です。忙しい日常の中でも、貼っていることを忘れるくらい肌に馴染み、睡眠中なども含め、しっかりと薬効を発揮し続ける薬膏が理想的です。

3. 優しい肌触り:なめらかな膏体

硬すぎたり、ゴワゴワしたりする薬膏では、塗りにくく、肌への負担も気になりますよね。漢方外用薬膏は、柔らかくなめらかな膏体であるべきです。これにより、関節などの曲面にもフィットしやすく、無理なく均一に塗ることができ、薬効成分の浸透を助けます。

4. ムラなく広がる:塗りやすい伸びの良さ

患部に薬膏を塗る際、均一に塗布できるかどうかも大切なポイントです。**「伸びが良い」** 薬膏は、少量でも広範囲にムラなく塗ることができ、使いやすさに直結します。特に、ご自身で塗りにくい背中や腰などに使う場合は、この「伸びの良さ」が非常に役立ちます。

5. 後片付けも簡単:清潔を保つ洗い流しやすさ

薬膏を使った後、肌に残ったベタつきや、衣服への付着が気になることはありませんか?使用後のことを考えると、洗い流しやすく、べたつきが少ない薬膏が理想的です。清潔な状態を保つことで、肌トラブルのリスクを減らし、日々のケアも快適になります。


日本で親しまれる外用薬膏の種類と活用法

漢方外用薬膏には、その処方によって様々な種類があります。ここでは、特に日本では「黒膏(こくこう)」や「青草膏(せいそうこう)」、「黄膏(おうこう)」といった名称で親しまれている代表的な薬膏の特長と、一般的な活用法をご紹介します。

  • 黒膏(こくこう):主に打撲、捻挫、筋肉痛、関節痛など、いわゆる「打ち身」「血行不良による痛み」に用いられることが多いです。血行を促進し、痛みを和らげ、腫れを抑える働きが期待できます。例えば、階段で膝をぶつけた時や、重いものを持った後に腰が痛む時などに活用されることがあります。

  • 青草膏(せいそうこう)・黄膏(おうこう):こちらは、やけど(軽度なもの)、虫刺され、湿疹、かゆみなど、皮膚の炎症やトラブルに用いられることが多いです。清熱解毒(炎症を鎮め、毒素を排出する)、消炎鎮痒(炎症を抑え、かゆみを和らげる)の作用が期待できます。例えば、うっかり熱いものに触れてしまった時や、蚊に刺されてかゆみが続く時などに使われることがあります。

【専門家からのアドバイス】 これらの薬膏は、それぞれの症状に適した成分が配合されています。ご自身の症状に合った薬膏を選ぶことが重要です。迷った場合は、かかりつけの医師や薬剤師、漢方専門家にご相談ください。


日常生活での漢方外用薬膏の取り入れ方

漢方外用薬膏は、正しく使うことでその効果を最大限に引き出すことができます。

  1. 清潔な肌に塗布する:患部を清潔にしてから薬膏を塗布しましょう。
  2. 適切な量を塗る:症状や薬膏の種類によって適量は異なります。説明書をよく読み、医師や薬剤師の指示に従いましょう。
  3. 推奨された時間を守る:薬膏がしっかり浸透するためにも、推奨されている貼付時間を守ることが大切です。
  4. 体質や症状に合わせる:同じような痛みでも、体質や症状の根本原因は人それぞれ。専門家のアドバイスを受けながら、ご自身の状態に合った薬膏を選びましょう。
  5. 生活習慣との組み合わせ:薬膏によるケアだけでなく、日々の適度な運動、バランスの取れた食事、十分な睡眠、そしてストレスを溜めない健康的な生活習慣を心がけることで、身体の痛みや不調の改善につながります。

漢方外用薬膏で、より快適な毎日を

中医学の知恵が詰まった外用薬膏は、日本人の暮らしに古くから根ざし、今も多くの人々の健康を支えています。ご紹介した 5 つの特長を持つ薬膏を選び、日々の身体のケアに取り入れることで、痛みや不調に悩まされることなく、より快適で活動的な毎日を送ることができるはずです。

もし、貴社が日本の医療・健康分野において、高品質な漢方製品をお探しの代理店様、販売店様でしたら、ぜひ一度、弊社までお問い合わせください。弊社の製品は、日本の皆様のニーズに寄り添い、確かな品質と効果を追求しております。共に日本の健康を支えるパートナーとして、詳細をご案内させていただきます。


【参考文献】

  1. 王文,& 李燕. (2016). 中醫傷科外敷藥膏的選擇與應用。中醫雜誌,57 (6), 480-482.
  2. 許燕,& 董婧. (2017). 常用中醫傷科外敷藥膏的特點及應用。中醫傷科雜誌,19 (2), 60-62.
  3. 劉娟,& 陳慶華. (2015). 中醫傷科外敷藥膏的選擇與配伍。中國中醫藥現代遠程教育,13 (5), 37-39.
  4. 張慧敏,& 趙靜. (2018). 中醫傷科外敷藥膏的選擇與應用。中華中醫藥學刊,36 (9), 2281-2284.
  5. 李勇,& 張曉丹. (2019). 中醫傷科外敷藥膏的選擇與應用。中醫傷科雜誌,21 (3), 40-42.