12.2024.19

漢方外用薬の真実:肌感覚に惑わされず、その本質を見極める

「冷たい」「温かい」… それだけで選んでいませんか?外用薬と皮膚感覚の正しい理解

季節の変わり目、特に寒さを感じ始める頃になると、「冷たく感じるから効きそう」「温かいから血行が良くなりそう」といった理由で湿布や塗り薬を選んでいる方をよく見かけますね。ドラッグストアや薬局の店頭でも、そのようなキャッチフレーズをよく目にします。

しかし、実際のところ、肌で感じる**「冷たさ」「温かさ」は、漢方における生薬本来の「性質(しょうしつ)」**とは異なります。漢方では、生薬が体内に取り込まれた後にどのように働くかが重要視されており、塗った瞬間の感覚だけで判断するのは適切ではありません。

肌感覚と生薬の性質の違いとは?

たとえば、** 薄荷(はっか)** を含む塗り薬はスーッとした清涼感を与え、** 唐辛子(とうがらし)** 成分を含む湿布はじんわりとした温かさを感じさせます。これらの感覚は皮膚の感覚神経への一時的な刺激によるものであり、薬としての本質的な働きとは別のものです。

漢方には**「涼性(りょうせい)」「温性(おんせい)」**という考え方がありますが、これは皮膚の感覚ではなく、生薬が体に吸収された後、体内にどう作用するかを示しています。まるで、体の内側から作用する「体質改善」のようなイメージですね。

漢方生薬の性質(しょうしつ)について知りましょう

  • 涼性の生薬:体の熱を鎮め、炎症やほてりに対応します。例えば、熱っぽさや腫れがある場合に適しています。
  • 温性の生薬:体を内側から温め、冷えや寒さによる不調に効果的です。

例えば、**「四物湯(しもつとう)」** に含まれる当帰(とうき)・川芎(せんきゅう)・白芍(びゃくしゃく)・熟地黄(じゅくじおう)といった生薬は、肌に塗っても温感はあまりありません。しかし、服用すれば血流を促し、体を中から温める働きをします。

つまり、肌で感じる温かさや冷たさではなく、「体内でどう働くか」で生薬の性質を見極めることが大切なのです。これは、日本の食卓に馴染み深い味噌汁や漬物のように、日々の積み重ねが体を作るという考え方にも通じるものがあるかもしれません。


よくあるご質問(Q&A)

Q1. 肌感覚と薬性はなぜ違うのですか?

A1. 肌の「冷たい」「温かい」という感覚は、あくまで感覚神経への反応です。一方、薬性は体内に吸収された後の作用を意味します。

Q2. 外用薬を選ぶときの基準は?

A2. ご自身の体質や症状に応じて、「涼性」か「温性」かを選ぶのが基本です。肌感覚だけで判断するのはおすすめできません。

Q3. 肌感覚と薬性が異なっても効果に問題はない?

A3. 問題ありません。効果は生薬が持つ内在的な作用によって決まります。感覚ではなく成分の働きに着目しましょう。

Q4. 効果と使い心地は両立できますか?

A4. はい、できます。専門家は生薬の性質とともに、基剤(塗るためのベース素材)や使用方法にも配慮して製剤しています。

Q5. 肌感覚に惑わされずに選ぶには?

A5. 漢方や生薬に詳しい専門家(漢方医・薬剤師など)に相談し、ご自身の体質に合った製品を選びましょう。


最後に:正しい知識で、安心してセルフケアを

外用薬を選ぶ際には、**「どう感じるか」ではなく「どう働くか」** に注目しましょう。専門家のアドバイスを受けながら、ご自身の体に合った生薬を選べば、安全で効果的なセルフケアが可能になります。

この情報が、日々の健康管理や長年の痛みケアの一助となれば幸いです。


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